着物の所作とマナー|“難しそう”を手放す第一歩
目次
1. はじめに|着物は「日常」にもなれる服

「着物って、なんだかハードルが高そう…」
そう思っている方は多いかもしれません。たしかに、洋服とは違う構造や着付け、小物の多さに最初は戸惑うかもしれません。
でも実は、着物は“覚えれば自然と身につく服”でもあります。
そして、所作やマナーもその延長線上。少しずつ慣れながら、自分のペースで身につければ大丈夫なのです。
この記事では、初心者の方でもすぐに取り入れられるような、着物を着たときの自然な動き方やふるまい方をご紹介します。
2. 動きが変われば着こなしが整う:着物の基本所作

2-1. 歩き方:ゆっくり歩くだけで美しく
着物で一番最初に気をつけたいのが歩き方。
でも、「足をそろえてゆっくり歩く」だけで印象はぐっと変わります。
- 少し内股で歩くと裾がきれいに見える
- 歩幅を小さくしてゆったり進むと、所作が自然に美しくなる
- すり足気味にすると音が静かで上品な印象に
コツは「急がないこと」。
洋服のときより“少しゆっくり”を意識すれば、それだけで着物姿がサマになります。
2-2. 座り方・立ち方:帯と裾にちょっと気を配る
椅子に座るときは、帯がつぶれないよう背もたれにもたれないのが基本。
でも慣れてしまえば、ごく自然な動きです。
- 座る前に少し裾を引いて整える
- 浅めに座り、背筋を伸ばす
- 立つときは膝をそろえてゆっくりと
これも意識ひとつ。慣れると身体が自然に動くようになります。
2-3. 階段では裾にひと手間を
階段の上り下りでは、着物の裾を軽くつまんで持ち上げると安心です。
- 片手で裾を少し持ち上げる(5〜10cm)
- 袖が気になるときは、反対の手で押さえる
- 手すりがある場合は積極的に使って
これもやってみれば簡単なことばかりです。「大きく動かない」ことが、着物には似合います。
3. 食事中のちょっとした気づかい
食事中に気をつけたいのは、「袖」と「帯」まわり。
でも、懐紙やハンカチ、クリップなどを使えば、意外とストレスなく対応できます。
- 袖をクリップでまとめる/ひざに懐紙やハンカチなどを広げる
- 帯が椅子に当たらないよう、背筋を伸ばして座る
- 食器を自分に近づけると、袖が汚れにくくなる
また、飲み物は顔をグラスに近づけるより、体を前に軽く傾ける方がスマートに見えます。
4. 袖・帯・衿元にまつわる仕草のコツ

着物は、動作が大きすぎると着崩れしやすくなります。
でも逆に言えば、「小さく動くこと」で上品に見える服でもあります。
- 手を広げるときは袖に注意(テーブルや人に当たらないように)
- 荷物はなるべく前で持つと袖がバサつきにくい
- 衿を何度も直さずに、一度整えてそのまま、のほうが美しい
「ちょっとだけ意識してみる」くらいが、ちょうど良い心がけです。
5. 正座とお辞儀|無理なくできる基本の姿勢
和の場では正座やお辞儀の機会もあるかもしれません。
でも、「きっちり正しく!」と考えすぎず、できる範囲で丁寧にが基本です。
- 正座はゆっくりと膝をつき、裾を整えて座る
- 背筋を伸ばすと帯に負担がかからない
- お辞儀は腰を軽く前に倒すだけで充分に美しい
慣れないうちは無理をせず、いつもの所作を丁寧に行うだけで好印象です。
6. 難しく考えすぎない、TPOマナーのとらえ方

格式のある場でも、着物のマナーで一番大切なのは「気配り」です。
- 食事会やお茶席では、静かに丁寧に動くことが一番のマナー
- 観劇や街歩きでは、他の人とぶつからないよう配慮するだけで十分
- バッグは小さめで手に持つのが基本ですが、最近はショルダー対応も増えています
マナーというと堅く感じがちですが、「誰かを不快にさせない」ことを意識するだけで自然と所作は整います。
7. まとめ|着物の所作は「慣れ」で身につく

着物を着たときの所作やマナーは、完璧でなくていいのです。
少しのコツと「落ち着いて動く」意識があれば、自然と身についていきます。
- ✅ 歩く・座る・立つを少しゆっくりめに
- ✅ 袖や裾の扱いに少し気を配る
- ✅ 難しく考えず、相手への配慮を忘れずに
- ✅ 回数を重ねれば「所作は自然に美しく」なる
着物は特別な存在であると同時に、日常に取り入れられる装いでもあります。
「敷居が高そう」と思っていた方こそ、ぜひ一歩を踏み出してみてください。
所作の美しさは、“意識するだけ”で誰でも手に入れることができます。